2007年12月19日水曜日

「みくみくにしてあげる♪【してやんよ】」について




「イーグルカフェへようこそ!」予告編で絶賛無断借用中の

「みくみくにしてあげる♪【してやんよ】」がJASRACに登録されている事が判明しました。


その為、今後の使用について検討すべく調査したところ、

JASRACからの削除要求は当分ないとの判断に至りました。

作者のIKA_MO様からの削除要請もない事から、当面このままの形で行く事にします。



判断の経緯ですが、以下の通りです。

昨日(12月18日)の夜、ニュースサイトをチェックしたところ、

「みくみくにしてあげる」がJASRACに登録されている事を知りました。

※まとめサイトで適当なものが無かったので、発端となった記事を上げておきます。

「初音ミク、JASRACデビュー」

もっと詳しく知りたい方は「みくみくにしてあげる JASRAC」でググれば色々出てきます。



まずはJASRACの作品データベース検索サービスで登録状況を確認しました。

※直リンだと弾かれるようなので、作品名「みくみくに」で検索して下さい。



するとドワンゴ・ミュージックパブリッシングという会社が出版社として

JASRACに管理を部分信託(CM・ゲームは除外)している事がわかりました。

ただし、肝心の作者であるIKA_MO氏が無信託となっています。



私は以前、拙作「ライオン仮面」において、主題歌をJASRACに委託した事があります。

その時は出版社の方には「一応電話で連絡だけしておくように」という軽いものでした。

そういった経緯がある事から、今回のJASTACの管轄がどこまでの範囲か掴めませんでした。

一応幾つかのサイトを回ったのですが、どれも憶測ばかりではっきりした事はわかりません。





そこで、JASRACに直接問い合わせる事にしました。回答は以下の通りです。



・JASRACの管理内容は通常のケースと同じ(つまりネットでの使用等にJASRACにお金を払う必要がある)



・作品の著作権はIKA_MO氏から移されたと、ドワンゴ・ミュージックパブリッシングより連絡があった。

→つまりJASRACの件について、IKA_MO氏は関与していない。



・JASRAC側ではドワンゴとIKA_MO氏との契約内容は確認していない。

もしドワンゴが正式な許諾を受けていないのなら、IKA_MO氏の申し出があれば、しかるべき対処を取る。



ようするに今の予告編のままではJASRACから何らかの要求がありますよ、という事。

ちなみに著作権というのは、厳密に法を解釈すると大変厳しいものです。

※:

「ドラえもんの似顔絵も著作権侵害?」






ここで諦めようか、とも思いましたが、一つ気になる点がありました。

それは作者のIKA_MO氏がblogで「ニコ動やYouTubeは問題ないと思います」

と発言していた事です。

つまりJASRACに委託したドワンゴ側とIKA_MO氏との間で、著作権の認識が食い違っていた事です。



そこで一つ疑問が湧きました。IKA_MO氏とドワンゴとの著作権譲渡契約の内容に。

つまり、IKA_MO氏はドワンゴ側に騙されたのではないのか、と。





そこでドワンゴ・ミュージックパブリッシングの連絡先を調べて直接問い合わせました。

あちこちたらい回しにされたのですが、ようやく担当者と話す事ができました。

詳細は以下の通りです。



・JASRACへの登録はIKA_MO氏より許諾を受けて行った。

全権譲渡というより、IKA_MO氏とJASRACをつないだ、というイメージ。



・ニコ動については投稿を認める方向でJASRACと協議中。



・YouTubeについては他社なので(ニコ動のニワンゴは関連会社)

はっきりとした事はいえないが、ニコ動と同様になるのではないか。



・CMとゲームについては勝手に使われたくないので、JASRAC管理対象外としている。

→つまり利用料さえ払えば「みくみく」を勝手に使用できる。それを防ぐのが目的。



・ドワンゴとしてはユーザーを排除する意思は無く、投稿サイトについては認める方針。

JASRACの作品データペースでは詳細を伝えきれず、ユーザーの混乱を招いてしまった。



・当たり前だが、ドワンゴで着うたを配信している以上、

ユーザーが勝手に自作の着うたを配信するのは禁止。

というか、元々こちらの対処としてJASRACに登録した次第。



・これらの対応はニコ動とYouTubeがJASRACに管理楽曲の利用料を払う事を前提としている。

��ようするに投稿サイトの許諾をここに含めようという方向で動いている)

なので、この前提が崩れた場合(つまりニコ動とYouTubeがJASRACと揉めた場合)

従来と同様の対処となる可能性がある。

※参考:「ニコニコ動画とYouTube、JASRACに著作権料支払いへ」





以上の経緯を踏まえて、「イーグルカフェへようこそ!」予告編につきましては

「みくみくにしてあげる」を使用しても当面問題ないだろう、と判断しました。

まあぶっちゃけた話「当面ニコ動やYouTubeの投稿を削除する事は無い」と

はっきり言われたんですけどね(笑)。



勿論、JASRACの職員が先走って動いたり(「協議中」の段階で動く事はないですけどね、ふつー)

IKA_MO様から「お前の映画が気に入らん」とクレームが来た場合は、すみやかに対処します。

・・・でも、お願いだからそんな事言わないで(ノД`)シクシク





連絡の行き違い等問題はあったにしろ、できる限りユーザーに歩み寄りたいという

ドワンゴの姿勢は評価できる。普通のレコード会社でこういう対応はアリエナイので。

あるアニメ会社のPなんて、ユーザーを犯罪者呼ばわりするし。



一応私の方からも「ユーザーが混乱しているので、正式に表明した方がいい」

とアドバイスしたところ、「現在文章をまとめているところ、なるべく早く発表したい」との返事でした。

なので、もうしばらく正式発表に時間がかかるかな、と思っていたのですが

私の電話を受けた為か(笑)、私が電話をした3時間半後に正式表明がありました。



「みくみくにしてあげる♪【してやんよ】」JASRAC登録にいたる経緯



さすがというか・・・対応早いですね。





最後になりますが、幾つかのblogでIKA_MO氏を「魂をJASRACに売った」等と

中傷する輩が見受けられました。

JASRACが相手だからといって思考停止せずに、自分で調べた上で発言なさって下さい。

せっかく生まれた貴重な才能をこのまま埋もれさせてしまうのは惜しいと思います。



願わくば、ニコ動やYouTubeから「みくみくにしてあげる」のように

埋もれた才能が発掘される事を祈ってます。



・・・て、まだ埋もれたままの私が言うとおこがましいですけど( ´∀`)σ)´Д`)